無縁社会はすぐ足元に

毎日、候補者活動で、地域訪問をしている。まずは表札のない家が多いのに驚いた。アパートの大半がそうだし、一戸建ての家でも無い家が目立つ。一軒の借家風の表札のないお宅を訪問した。玄関が開いていたので声をかけたら、「奥から動けない」との返事。仕事がらすぐに上り込んだ。ガランとしたまったく暖房器具のない部屋にホーム炬燵で毛布一枚に包まって寝ている男性がいた。枕もなく、体が小刻みに震えている。枕元に、退院仕立てのような荷物が三つ、それ以外は扇風機が一つだけだ。「大丈夫ですか」と声をかけた。台所も調理器具は小鍋が1つと、電気コンロが一つ、調理をしている気配がない。パーキンソン氏病で苦しんでおられた。言葉も震えて聞き取りにくい。65歳といわれるが、とても老けて見える。4年前から病気になり、仕事もできなくなり、保護を受けて暮らしている。食べ物は近くのコンビニまで杖をついてなんとか行き、弁当を買っているようだ。
近隣の方も、民生委員さんも、彼の存在を知らなかった。「あそこは空き家でしょう?」と言われる。民生委員さんに存在を知らせ、翌日、ケアマネージャーを連れて訪問し、福祉事務所と連携しながら、介護保険の申請を依頼した。