打開したい「保険あって介護なし」の現状

今、わたしは、応援してくれる地域の方たちの支援を得て、後援会員を広げる活動を行っています。
先日、地域訪問を行ったのですが、80歳くらいの女性が玄関で対応してくれました。私が、40年間、医療や、介護の仕事をしてきた人間だと挨拶すると、夫の介護に本当に苦労していることを切々と訴えられました。穏やかなご主人だったのが、認知症になり、病識がないので、猛暑の日でも外に出ようとする。それをとがめると、暴力を振るう。週3回はデイサービスに参加するが、夜間の介護は大変、月に数日のショートステイに預けた日が唯一の安らげる時間だが、こんな生活がいつまで続くのか、出口が見えない。子供にはこんな苦労はさせたくない。自分で解決したい。そう考えると、一緒に死のうと何度考えたことか、ケアマネージャに相談しているが、すぐに入れる施設もない。認知症の夫を介護する高齢の妻の悲鳴が聞こえます。
わたしは、こうした介護者の切実な訴えをこの10年間、聞き続けています。介護保険料は強制的に年金から引かれているのに、本当に介護で困った時には利用できない介護保険制度。
現在、日本中で特養待機者は42万人とも言われています。「保険あって介護なし」の典型的な問題です。そして、これから作られる特養は新型特養のみが許可され、小規模(29人)で個室、ユニットケアでないと許可されません。この特養は入居費用が高く、低所得者には入所が困難です。わたしは、この問題をなんとか解決していかねばならないと、現場の経験から考えています。